こちらの記事では主に社労士試験を受験される方に向けて労働基準法について解説していきます!
細かく学習範囲を分けて、詳しい解説や難しくない言い回しを心がけておりますので、
社労士試験を初めて受験される方にもおすすめです。
<こんな人が書いています>

・4度目の挑戦で社労士試験に合格
・都内某所の社労士法人にて10社程の入退社等の手続きや相談を担当しておりました
・現在は社会保険労務士として開業してお仕事募集中です!(ホームページはこちら)
今回は第32条労働時間です。
が…
本条には第32条の2~5があり、そこが正に労基法でつまづきがちな「変形労働時間制」の部分です。
そちらについては基本的な法定労働時間、休憩、休日について解説した後に丁寧に扱っていきたいと思います。
今回は、そもそも労働時間とは?といったことや、法定労働時間について解説していきます!
法定労働時間

それでは条文です。
第三十二条
①使用者は、労働者に、休憩時間を除き一週間について四十時間を超えて、労働させてはならない。
②使用者は、一週間の各日については、労働者に、休憩時間を除き一日について八時間を超えて、労働させてはならない。
原則の大事な部分です!
読んでそのままなので条文については後半に触れて、まずは「労働時間」について見ていきましょう。
ポイント
まず「労働時間」とは?ということを説明したいと思います。
「使用者の指示によって労働者が使用者の指揮命令下に置かれている時間」
一言で表すとこんな感じです。
そして「労働時間」になるか否かは、
労働者の行為が「使用者の指揮命令下に置かれたもの」と評価できるか客観的に定まるものであるとしています。
なので、労働契約、就業規則、労働協約等の定めにどのようにあるかによって決定されるものではないとしています。
使用者の指示とありますが、これには黙示の指示も含みます。
「指示は特にされてないけど、これぐらいやらないと明日怒られるよなあ」
といったような状況であったり、そのような判断をして業務を行っているようなイメージです!
それでは具体的に何が労働時間になるか、ならないかというのを見ていきましょう。
<労働時間になる>
①自由利用が保障されていない休憩時間や出張移動時間、事業場間の移動時間
②手持時間(待機時間)
③受講義務のある教育訓練時間
④安全・衛生委員会の会議時間
⑤特殊健康診断を受けている時間
①は休憩中や移動中でも会社等から問い合わせが来たら対応しているようなケースです。
訪問介護のお仕事をされている方で、事業場や利用者のお宅を業務に必要な移動を命じられて往復するようなものもこちらに該当します!
②は聞き慣れない言葉かもしれませんが、例えば警備員の方が休憩室でお休みや仮眠をしているような時です。
この場合、何かしら緊急事態が発生した時はすぐに対応する必要がありますので、
使用者の指揮命令下に置かれていると判断することができます。
あとは運送トラックに二人で乗り込んで交代しながら運転しているケースで、
運転していない方が助手席で仮眠しているといったような時間も労働時間であるとされています。
③は自主的に業務に何ら関係のない受講している講座等ではなく、
会社の指示により受講するものや、講座の内容的に業務と密接に関連して参加せざるをえないようなものです。
④は社労士試験の受験科目の一つである労働安全衛生法に出てくるものですが、一定の事業場に設置が義務付けられています。
そちらで行われるような会議なので労働時間になるということですね。
⑤も労働安全衛生法で定められているもので、
一般的な健康診断と違い有害業務に従事する労働者等を対象とした健康診断です。
上記の方を対象としていることで、特殊健康診断は業務と密接に結びついており、
労働者の健康を確保するため当然に実施しなければいけない健康診断なので労働時間とされています。
それでは労働時間にならないものも見ていきましょう。
上記と対になっているものが多いですが…
<労働時間にならない>
①自由利用できる休憩時間、出張移動時間、事業場間の移動
②受講義務のない教育訓練時間
③参加義務のない会議時間
④一般健康診断を受けている時間
①はそのままなのですが、会社から問い合わせがあっても対応する必要はなかったり、
警備員やトラック運転手の方も現場から自由に離れて緊急事態の対応は不要で、読書やゲーム等好きなことができるような時間です。
②は上記と全く対であるような自主的に講座を受けているといったような時間です。
③は例えば社内で組織している趣味サークルの活動や勉強会等をいいます。
④については特殊健康診断と違って、一般的な健康確保を目的として実施義務を課されたもので、
業務との直接の関連があって行われるものではないので労働時間ではないとされています。
雇い入れ時や1年ごとに行われるもので、会社等の組織で働かれている方には馴染みのある健康診断のことです!
労働時間としなくていいのですが、実際は受診時間もそのまま労働時間にしているところが多いのかなと思います!
長々と労働時間とは…ということに触れてきましたが、やっと法定労働時間について触れていきます。
改めて条文はこちら。
第三十二条
①使用者は、労働者に、休憩時間を除き一週間について四十時間を超えて、労働させてはならない。
②使用者は、一週間の各日については、労働者に、休憩時間を除き一日について八時間を超えて、労働させてはならない。
ご存じの方も多いかと思いますが、
労基法では休憩時間を除いて1週間40時間まで、1日8時間までと定められています。
ちなみに定義として…
1週間:就業規則等に別段の定めがない限り日曜日から土曜日までのことです。これを暦週といったりします。
1日:午前0時から午後12時までのことをいいます。お気づきの通りこれは…暦日といったりします。
あとは法定労働時間と所定労働時間の違いに以前も少し触れましたが違いは下記の通りです。
所定→事業所で定められた労働時間
法定→労基法で定められた労働時間
なので、例えば所定労働時間が7時間30分といったような事業所で8時間労働したとしたら、
法定労働時間には収まっているので法定内残業といわれていたりします。
時間外労働については後に詳しく解説します!
それでは復習の条文ですが、改めて上記で載せておりますのでそちらを見ていただきまして…
まとめ

第32条法定労働時間
- 労働時間かどうかは使用者の指揮命令下に置かれているかといったことが重要
- 移動時間や待機時間、教育訓練時間等の何が労働時間にあたるか実態で判断する
- 法定労働時間は休憩時間を除いて1週間40時間、1日8時間
今回はこちらで終わります!
ご意見、ご指摘等ございましたらお問い合わせよりいただけましたら幸いです。
今回もお疲れ様でした。
次回は第38条労働時間の通算、第40条労働時間の特例について解説していきたいと思います。
また次回もよろしくお願いします!

