【労働基準法㉔】第23条金品の返還【積立金等が返ってくるかも】

労働基準法

こちらの記事では主に社労士試験を受験される方に向けて労働基準法について解説していきます!

細かく学習範囲を分けて、詳しい解説や難しくない言い回しを心がけておりますので、
社労士試験を初めて受験される方にもおすすめです。

<こんな人が書いています>
  筆者の似顔絵。
絵は苦手です。
・4度目の挑戦で社労士試験に合格
・都内某所の社労士法人にて10社程の入退社等の手続きや相談を担当しておりました
・現在は社会保険労務士として開業してお仕事募集中です!(ホームページはこちら

今回は第23条金品の返還です!

あまり馴染みがないところかと思いますが、難しくないところなので頑張っていきましょう!

金品の返還

条文はこちら。

第二十三条
①使用者は、労働者の死亡又は退職の場合において、権利者請求があつた場合においては、七日以内賃金を支払い、積立金保証金貯蓄金その他名称の如何を問わず、労働者の権利に属する金品返還しなければならない。
②前項の賃金又は金品に関して争がある場合においては、使用者は、異議のない部分を、同項の期間中に支払い、又は返還しなければならない。

それでは詳しく見ていきましょう。

ポイント

賃金はもちろん、名称を問わず会社が労働者から預かっているような金品について返還の請求をすることができます。

積立金でいうと例えば社内行事のために積み立てているもの等が該当します。

「名称の如何を問わず」とあるように実態が重要なのは注意しておきたいです。

それでは、
社内旅行に不参加だったからその積立金を返還してくれ
というような請求があった場合はどうなるでしょうか?

これについては、その積立金が福利厚生全般にも使われているようなものでしたら、
その恩恵を受けていることが考えられるので特段の定めがない限りは返還する必要はないかと思われます。

そして「金品」ということについてですが、これには金銭だけでなく物品も含まれると考えられます。

読み物程度に…

過去の判例で、退職する看護婦に看護婦免許証を返さないといったことがありました。

まず、本条の趣旨は、金品を預かったままにすることで退職する労働者の足止め策に利用されないように早期の返還を義務付けるものとしています。

免許証を預かる病院側には、看護婦不足により他の病院への移籍や兼務することをできるだけ防ぐ意図があるとして認められるとしました。

そこで裁判所は本条の趣旨からして、足止めとなっている本件のような免許証は「金品」に該当すると考えられるとしています。

権利者の請求があった場合」という権利者の部分についても解像度を上げときましょう!

これには退職の場合には労働者本人で、死亡の場合は遺産相続人のことをいいます。

なので、借金をしている相手といったような一般の債権者は含まれません。

7日以内」という部分の注意点としては、
退職手当(≒退職金)については就業規則等で定められた通りに支払えば問題ありません。

なので、過去判例にもありますが就業規則等に特に定めのない退職手当については、
原則通りに請求日から7日以内に支払うべきであるとされています。

賃金について請求があり、7日目より前に毎月の賃金支払日が到来したら…
当然ですが、賃金支払日に支払う必要があります!

②についてはお読みの通りかと思いますが、金品に関して争いが起こり保留中な部分もあるかと思いますが、
争いがない部分については原則通り支払いや返還をしてくださいといったところです。

罰則は下記の通りです。
30万円以下の罰金

それでは復習の条文です!

第二十三条
①使用者は、労働者の死亡又は退職の場合において、権利者請求があつた場合においては、七日以内賃金を支払い、積立金保証金貯蓄金その他名称の如何を問わず、労働者の権利に属する金品返還しなければならない。
②上記の賃金又は金品に関して争がある場合においては、使用者は、異議のない部分を、七日以内に支払い、又は返還しなければならない。

(一部を改変しています)

まとめ

第23条金品の返還

  • 権利者(労働者本人、遺産相続人)から請求があった場合は、労働者は賃金や積立金等の金品を7日以内に返還、支払う必要がある
  • 退職手当については請求があったとしても就業規則等に定められた時に支払えばいい
  • 金品の一部に争いがある場合は、争いがない部分について7日以内に支払い等する必要がある

お金の問題もデリケートなので退職時などにトラブルが発生しないようにしたいですね…

今回もお疲れ様でした!

ご意見、ご指摘等ございましたらお問い合わせよりいただけますようお願い申し上げます。

次回は試験でも実務でも重要になってくる労働時間の分野に入っていきまして、
第32条法定労働時間について解説します。

また次回もよろしくお願いします!

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