こちらの記事では主に社労士試験を受験される方に向けて労働基準法について解説していきます!
細かく学習範囲を分けて、詳しい解説や難しくない言い回しを心がけておりますので、
社労士試験を初めて受験される方にもおすすめです。
<こんな人が書いています>

・4度目の挑戦で社労士試験に合格
・都内某所の社労士法人にて10社程の入退社等の手続きや相談を担当しておりました
・現在は社会保険労務士として開業してお仕事募集中です!(ホームページはこちら)
今回は第16条の賠償予定の禁止です。
今回は短めですのでサクッとやっていきましょう!
賠償予定の禁止

条文はこちら。
第十六条
使用者は、労働契約の不履行について違約金を定め、又は損害賠償額を予定する契約をしてはならない。
具体例も添えて内容を見ていきましょう!
ポイント
法律用語も混じっているので簡単にいうと、
「労働するという契約が果たされなかった場合にや、損害が発生した時にその程度を問わず、あらかじめ支払う金額を定めてはいけない」
といったようなところです!
なので繰り返しのようになりますが、
労働契約の不履行に対して一定の金額を支払うことをあらかじめ定めたり、
会社に損害を与えた場合の損害賠償額をあらかじめ定めておくことは許されません。
このような違約金や損害賠償額を予定することは、
もしかしたら労働の強制に繋がる可能性があります。
そして、労働者の自由な意思を不当に拘束し、
労働者を使用者に従わせることになるので、
これらの弊害を防止しようということです。
「予定する」といったことが禁止されているわけですから、
例えば運送会社で事故があった場合等で、
実際に生じた損害について損害賠償請求をすることは禁止されておりません。
ちなみに労働者の負担額については責任の程度や、使用者側で損害の発生が防止するための措置がなされていたか等の事情が考慮されます!
それでは、
「会社が費用を負担した留学や研修の終了後に退職した場合にその費用は返還するべき」
といったような規定は許されるでしょうか?
これについては、その留学等が業務命令として行われたものであったり、
それに伴って会社の業務も行っていたというようなケースでは返還する必要はないとされています。
上記のような場合は実態を見るというような側面もあるので注意しておきましょう!
罰則は下記の通りです。
6カ月以下の懲役、または30万円以下の罰金
現実にお金を徴収したときにはじめて違反が成立するのではなく、
条文中にあるような契約をした時点で違反が成立します。
それでは早くも復習の条文です。
第十六条
使用者は、労働契約の不履行について違約金を定め、又は損害賠償額を予定する契約をしてはならない。
昔は退職させないように「辞めるなら〇〇万円払ってね」といったことがあったそうです…
まとめ

第16条賠償予定の禁止
- あらかじめ違約金や賠償額を定めてはいけない
- 実際の損害について労働者に損害賠償を請求することは禁止されていない
賠償額が予定されていることで実質的に身分拘束されていませんか?
法律で禁止されていることなので、もしかしてと思ったら会社側に確認してみましょう。
お困りごと、ご意見、ご指摘等ございましたらお問い合わせにてお受けしております。
今回はサクッとお疲れ様でした!
次回は第17条前借金相殺の禁止について解説していきたいと思います。
またよろしくお願いします!

