【労働基準法⑤】第7条公民権行使の保障【覚えておきたい具体例】

労働基準法

こちらの記事では主に社労士試験を受験される方に向けて労働基準法について解説していきます!

細かく学習範囲を分けて、詳しい解説や難しくない言い回しを心がけておりますので、
社労士試験を初めて受験される方にもおすすめです。

<こんな人が書いています>
  筆者の似顔絵。
絵は苦手です。
・4度目の挑戦で社労士試験に合格
・都内某所の社労士法人にて10社程の入退社等の手続きや相談を担当しておりました
・現在は社会保険労務士として開業してお仕事募集中です!(ホームページはこちら

今回は労働基準法解説の第5回目で第7条公民権行使の保障です。

よろしくお願いします!

公民権行使の保障

ハンマー

またまた条文から…

第7条
使用者は、労働者が労働時間中に、選挙権その他公民としての権利を行使し、又は公の職務を執行するために必要な時間を請求した場合においては、拒んではならない。但し、権利の行使又は公の職務の執行に妨げがない限り、請求された時刻を変更することができる。

何が「公民としての権利」、「公の職務」に該当するのか覚えておきたいものがあります!

ポイント

読んで字のごとくですが更に噛み砕くと、使用者は、労働者が労働時間中に
選挙権などの「公民としての権利」を行使
・裁判の証人として出廷するといった「公の職務」を執行
するために必要な時間を請求した場合には拒むことができないといったことです。

拒むこと自体が禁止されているので、結果的には例えば裁判の証人として出廷できたとしても、
その過程で拒んでいたら違反となります。

因みに罰則は、
6ヶ月以下の懲役または30万円以下の罰金
となります。

他には、就業規則等に公民権の行使を「労働時間外に実施すべき」といったことを定めて、
それを根拠として就業時間中にその行使を拒否することも違反
となります。

「公民」というのは国家、公共団体の公務に参加する資格がある国民のことです。

そして上記の通り、公民権の行使に必要な時間を確保する必要はありますが、
その時間について有給か無給については当事者の自由とされております!

関連する最高裁判例がありますので、それについても触れておきます。

判例 十和田観光電鉄事件

概要を簡単に…

従業員のAさんが市議会議員として当選後に、議員就任中は休職扱いとしてもらいたいことを申し出たが、会社の就業規則には「従業員が会社の承認を得ずに公職に就任した者を懲戒解雇する」といった規定があり、会社側はそれに該当するとしてAさんを懲戒解雇とした。

これに対してAさんは、上記の規定は労働基準法7条等に反するとしそれに伴い懲戒解雇は無効であると主張して訴えを提起した。

結果は第一審と第二審でAさんの訴えを認めて懲戒解雇を無効とし、会社側が上告しましたが、
最高裁は、就業規則の該当部分については本条の趣旨に反しているとし無効と解すべきであるとしました。

そして、公職に就任することが会社の業務の遂行を著しく阻害するおそれがある場合でも、普通解雇にすることは別として懲戒解雇にすることは許されないとしました。

業務の遂行に大きな影響があるなら懲戒解雇じゃなくて、普通解雇をするなら本条違反にはならないよとったところです!

公民としての権利、公の職務の具体例

社労士試験で突かれそうな部分についてピックアップしていますので覚えておきましょう!

<公民としての権利に該当するもの>

・選挙権及び被選挙権
・最高裁判所裁判官の国民審査
・憲法改正の国民投票
・地方自治法による住民の直接請求
・選挙人名簿の登録の申出
・行政事件訴訟法に規定する民衆訴訟
・公職選挙法に規定する選挙等に関する訴訟

選挙の応援、個人的な訴訟は含まれないので注意です!

<公の職務に該当するもの>

・衆議院議員等の議員の職務
・労働委員会の委員、裁判員、審議会の委員等の職務
・公職選挙法の規定による投票立会人等の職務

予備自衛官の防衛招集・訓練招集や、非常勤の消防団員の職務は含まれないので注意です!

感覚的な話で申し訳ないのですが、私的なもの完全な公ではないものについては本条の保障範囲外になるといったイメージです。

例えば選挙の応援は、立候補者に付随して出向くものですし、
予備自衛官は主業とは別で自主的に志願するものなので範囲外になるといった感じで…

ここいらで条文の復習です。

第7条
使用者は、労働者が労働時間中に、選挙権その他公民としての権利を行使し、又は公の職務を執行するために必要な時間を請求した場合においては、拒んではならない。但し、権利の行使又は公の職務の執行に妨げがない限り、請求された時刻を変更することができる。

それではまとめにいきます!

まとめ

第7条公民権行使の保障

  • 「拒むこと」自体が禁止されているので、実際に権利が行使されたか問わず本条違反となる
  • 就業規則に「就業時間外に実施すべき」や「公職に就いた場合に懲戒解雇とする」といった規定を定めてそれらを根拠に会社側が拒否等を行うことは本条違反となる
  • 公民としての権利、公の職務の具体例を覚えておく

今回は判例や具体例も交えて第7条の公民権行使の保障について解説しました。

具体例を覚えるのが大変かもしれませんが、
個人的なものは範囲外だというイメージで線引きできるかと思います!

ご意見、ご指摘等ございましたらお問い合わせよりいただけますようお願い申し上げます。

次回は労働基準法第8条の…

と言いたいところですが、平成10年の改正で削除されました。

第8条には適用事業について記載があったそうですが、
主要な部分は別表第1に、但し書きは第116条に移動しました。

なので次回は労働基準法の適用事業について解説していきたいと思います。

また次回もよろしくお願いします!

タイトルとURLをコピーしました